JST、創発的研究支援事業の2026年度新規243課題を採択 応募2,519件
科学技術振興機構(JST)は2026年10月27日、創発的研究支援事業の2026年度新規研究課題として243件を採択したと発表した。2026年3月27日から5月14日までの募集に2,519件の応募があった。文部科学省のページも同日付で第7回公募の決定を伝えている。
何が起きたか
科学技術振興機構(JST)は2026年10月27日、創発的研究支援事業の2026年度研究提案募集における新規研究課題を決定したと発表した。2026年度の提案募集は2026年3月27日から5月14日まで実施され、多様な研究者から2,519件の応募があった。募集締め切り後、各パネルの創発プログラムオフィサーの下、創発的研究支援事業アドバイザーと外部専門家等の協力を得て書類選考と面接選考(事前評価)を実施した結果、243件の研究課題とその研究代表者を採択した。研究課題と研究代表者の詳細はJSTの事業ウェブサイトで参照するよう案内している。
事業の位置づけと公募の枠組み
本事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するものと説明されている。既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ長期的に支援し、支援期間中は異分野を含む多様な研究者同士が相互に触発し切磋琢磨する「創発の場」を設けるとしている。文部科学省のページは支援期間を原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)とし、審査等はJSTが行うと記載している。文部科学省は同日付で「創発的研究支援事業(第7回公募)新規研究課題の決定について」を更新情報として掲載しており、JSTの発表と同一の決定を伝える関係にある。
前年度との比較で見える応募・採択の推移
JSTが2026年4月24日に発表した2025年度分では、応募2,217件に対して257件の研究課題と研究代表者を採択したとされている。2026年度は応募2,519件・採択243件であり、発表済みの数値で比べると応募は増え、採択数は減っている。ただし両年度で選考の記載が異なり、2025年度は書類選考と面接選考(事前評価)を実施したとの記述にとどまる一方、2026年度は創発プログラムオフィサーの下でアドバイザーや外部専門家等の協力を得たと明記されている。採択数の増減を選考体制の違いに結びつける根拠は資料になく、応募者にとっての採択難易度の変化も数値の比較以上には読み取れない。
研究現場への影響
2,519件の応募に対し243件が採択されたという数値は、提案した研究者の多くが今回の公募では支援に至らなかったことを意味する。創発的研究支援事業は特定の課題を設けず長期支援を柱とするため、採択されなかった研究テーマの受け皿が他制度にあるかどうかは、研究者の研究継続に影響しうる。ただし本資料には他制度との関係や再応募の扱いは示されておらず、これは資料外の論点である。
産業界との関係で留意すべき点
本事業は基礎的・挑戦的な研究を対象とし、支援期間も原則7年と長期にわたるため、成果が企業の製品や事業に結びつくまでには時間差があると考えられる。今回の発表は採択課題の決定であり、個別課題の内容や産業分野別の内訳は資料に示されていない。企業がこの事業の動向を参照する場合、現時点で確認できるのは応募・採択件数と事業の枠組みまでであり、特定産業への直接の影響を断定することはできない。研究課題の詳細はJSTの事業サイトで確認する必要がある。